日光と京都地方にだけ伝わる“湯波”の歴史は古く、山岳宗教の盛んな時代に全国から集まった僧・修験者たちが魚類に代わる蛋白食品として、愛用いたしました。
 その後、皇室・僧侶・神官の方々の重要な食品として“御用湯波所”の許可を受け、引続き製造してきた店が日光市内に二軒ありますが、一般に販売が許されたのは、明治になってからです。
 当亭の「生ゆば料理」は、伝統と独特の技術を誇る老舗“海老屋”が、日光山の霊水と吟味した大豆を使い精魂を傾けた手づくりの“生ゆば”“日光御膳湯波”を調理したものです。
 天然の幸、大豆を原料とした栄養食品の「生ゆばのフルコース料理」は、美容と健康に効果があり国内外の方々に喜ばれて居ります。澄んだ空気と、日本一おいしい水のまち、古い日光の、珍しい味覚をどうぞ存分にご賞味の上、末永くご愛顧くださいます様にお願い申し上げます。
亭主敬白

“ゆば”は ふる里の文化財
 私は、近ごろやたらと「栃木県」が恋しくなる。“ふる里”なんだから、あたり前なのかも知れない。「演歌巡礼」をはじめて、全国くまなく歩き廻っているので、他県の佳さも、もちろんわかっているつもりだが、やはり栃木県が一番だと自画自賛してしまう。それでいながら“ウマイもの”の話になったりすると、栃木県は、ふと弱気になったりする面もある。
 さて、その数少ない“ウマイもの”のひとつに「ゆば」がある。山岳信仰の修験者たちに、昔から愛用された伝統の「ゆば」はおらがくにさの、“重要文化財”なのだ。
 私の作曲する演歌のように、気取らず、わかりやすく、個性的に料理して、日本国の皆々様に提供することになったそうな。タイシタモンダベェ!! あの懐かしい味の「ゆば料理」を、私の“ふる里自慢”に加えようと思っている。
作曲家 船村徹